光回線アナログ戻し代行契約
(検討期間2023年4月~2024年6月)
(検討期間2023年4月~2024年6月)
【トラブルの概要】光回線をアナログ回線に戻せば電話料金が安くなると電話で勧誘され契約したが、頼んでいない2つの付帯サービス契約の費用が毎月引き落とされ、解約しようとすると高額な違約金を請求された。
事業者名:株式会社Fine (2024年6月時点の本社所在地 大阪市中央区 南久宝寺町)
1 主な問題点:問題となる契約は、以下の3つです。
①NTTアナログ回線戻し代行
②(損害保険に類似する)補償サービス
③電話サポートサービス
①について役務内容・役務の提供時期の記載がありませんでした。また、契約解除やクーリングオ フについて、その要件が読み取れない書きぶりでした。そのため、電話勧誘販売の際に交付されなければならない法定書面(特定商取引法18条)が交付されていないと考えました。加えて、「NTTアナログ回線戻し代行」という名称自体、事業者がNTTの関連業者であると誤信させるものであり、適切ではないとも考えました。
次に②③の契約書は、①の契約書と一体となっていましたが、②③は付帯サービスの「案内」のような体裁であり、消費者が②③も契約したものと把握することはできないものでした。
さらに、②については、「破損」「水没」「故障」の場合でも警察への届け出が補償の要件とされており、不能な条件を付するものであり、民法133条1項により無効と考えました。また、1年以内の解約違約金が月額利用料の16倍以上で高額すぎ消費者契約法9条により無効と考えました。
2 当団体の取組み
○2023年7月19日付で 上記1の問題点について、事業者㈱Fineへ「お問合せ」を送付しました。
○同年8月8日付で ㈱Fineから回答がありましたが、上記1の問題点が解消されるような内容ではありませんでした。
○そこで、同年10月30日付で ㈱Fineへ上記1の問題点について、「申入書」を送付しました。
○これに対して、同年11月19日付で 同社から以下のような回答がありました。
・契約書書式を変更する
・③について、警察への届け出の要件を廃止する
・③の解約違約金は「事業者において18か月以上利用することを前提としている」(から変更しない)
○この回答を受け、同年12月22日付で「変更後の契約書式の交付」及び「③の解約違約金条項の削除」を求め、「申入書(2)」を送付しました。
○そうしたところ、2024年1月19日付で 同社より「変更後の契約書式の内容(独自サービスであるとの表記)」と「③解約違約金条項の削除を行う」という旨の回答がありました。
○この回答を受け、同年3月1日付で 再度「変更後の契約書式の交付」を求め、「申入書(3)」を送付しました。
○同年3月20日付で 同社より①ないし③の事業を廃止した旨の連絡がありました。
○同年4月24日付で 同社のホームページを確認したところ、当該事業の記載はありませんでした。
○そのため、同年6月28日付で 同社へ「申入れ終了のご連絡」を送付し、対応を終了しました。
4 「光回線のアナログ戻し」について
アナログ回線に戻す手続きは消費者自身で可能です。こうした勧誘について、2021年12月国民生活センターが次の注意喚起記事を掲載しています。参考になる内容ですのでご参照ください。
5 その他
本件と類似性の高い同種事業者へも同様の質問書および申入書(再送を含む)を送付しましたが、回答がありませんでした。もっとも、その事業者のホームページを確認したところ、本件事業者のホームページと同じように当該事業の記載はなく、廃止しているように見受けられる点について申し添えます。