コインパーキングの長時間駐車違約金
(検討期間:2018年12月~2019年5月)
(検討期間:2018年12月~2019年5月)
無人コインパーキングの利用規約で、長時間駐車に対し1日当たり5万円、上限20万円の違約金を請求する規定がある。看板には時間制限の注意喚起もなく、不正駐車車両を撤去処分するとの条項もあり、利用者に不利な利用規定になっているため是正を求めました。
○2018年12月
無人駐車場の利用規約について、以下の点が問題ではないか検討しました。
看板には大きく「入庫から24時間最大500円」などの記載がある一方で、「駐車から96時間を超えた場合の違約金」の説明ある利用規約は文字が小さく目立たない。景表法の有利誤認表示にあたるのではないか。
96時間を超える「不正駐車」に対し24時間当たり5万円の違約金は、損害賠償額を予定したものと考えられるが高額であり、上記表示が景表法違反の可能性もあり公序良俗違反ではないか。
利用規約には不正車両は撤去処分するとしているが、これは私的救済の禁止に抵触し、民法の公序良俗違反の可能性がある。
○2019年2月1日
駐車場運営会社に対し規約の改善を求める申入書を送付しました。内容は以下の通り。
制限時間の規定を維持する場合には,料金を記載した看板にも,現在の「オールタイム20分/100円」の表記と同じかそれよりも大きな文字のサイズで,制限時間が分かる文言を記載してください。
駐車場利用規約第8条について,利用者が1日あたり5万円の定額の違約金(損害賠償の予定)を支払わなければならないとする規定を改め,駐車場管理者に生じた実損額のみを賠償しなければならないとする規定に変更してください。
同規約第13条第2項の規定全文を速やかに削除してください。
〇2019年2月22日
運営会社から回答書を受領しました。内容は「申し入れた点について諸事情を総合考慮しながら検討する」としながらも、「違約金は業界の慣習であり柔軟に対応している」、「違約金や車両撤去などの規定は不正利用を早期に発見する目的で設定している」と主張するものでした。また、「単なる憶測に基づく申入れには対応できない」として具体的に問題となったケースを 提示するように求めてきました。
○2019年4月23日
回答書に対する当団体の見解を送付しました。内容は次の通り
2か月経過しているので改善の検討結果を報告してほしい。
表示自体が景表法違反にあたり得るため、消費者被害の発生を未然に防止する観点から改善を申し入れている。具体的なケースの提示は行わない。
違約金はそもそも慣習ではなく仮りに広く用いられているとしても、消費者の利益を一方的に害するものであれば消契法10条違反になる。
問題にしているのは違約金を課すという手段の相当性であって規約の目的ではない。また違約金条項と犯罪に使用された車両の早期発見とは関係ない。
自力救済規定については、前提となる所有権放棄条項自体が消契法10違反で無効となる。
○2019年5月14日
運営会社より再回答が届きました。内容は、前回回答とほぼ同様のものであり、改善結果について報告はありませんでした。
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