2025総会記念学習会
2025.6.14 奈良弁護士会館
2025.6.14 奈良弁護士会館
事例で学ぶWEB広告表示の法規制とトラブルの実態
講師:武田 典子さん
公益社団法人日本広告審査機構(JARO)関西事務所 シニアコンサルタント
2025年6月14日、第10回通常総会記念企画として、WEB広告表示について詳しく学ぶ講演会を開催しました。講師には、民間機関として広告表示の監視などの取組みをされている公益社団法人日本広告審査機構(JARO)から、関西事務所シニアコンサルタントの武田典子さんをお招きしました。今消費者に関心の高いインターネット広告がテーマとあって、会場には県内の消費者の方や当団体で活動する委員、消費生活相談員等、幅広い方々が参加されました。
講師の武田典子さん
○講演では、まずJAROについて、その設立目的や役割、活動内容について説明がありました。広告業界が設立した民間の自主規制機関であり、広告・表示に関する相談受付、処理、審査を行っているということです。「JAROの名前は知っているけれど…」といった参加者にもしっかりとその位置づけが確認できました。
○本篇の「広告・表示に関するルール」では、景品表示法、特定商取引法、薬機法上の規制について解説、「インターネット上の広告」ではアフィリエイトの仕組みなど複雑な広告掲載の流れについて説明がありました。
○これらの法規制については具体的な事例を多数示していただき、消費者自身が身近な事柄に引きつけて考えることができ、問題点の理解が進みました。
○講演の後、質疑の時間では、JAROが発信する見解や警告などの活動に関することや、アフィリエイターに対する啓発など、活発に質問や感想が出されました。
○また、参加者アンケートでは、「事例では日頃スマホでよく見る広告があった。ウソっぽいと思いながら見過ごしているが、法律違反の視点でも、気にしてみようと思う」「今後広告の見方がかわりました」「行政は縦割りになる中、横断的に各種法規制があるこというのはとても参考になった。」などの感想が寄せられています。
○最後に小泉隆志副理事長が本総会企画のまとめを行いました。インターネット上の広告が改めてこれだけ多くの問題を孕んでいることを再認識し、法律を使って是正を求めていく当団体の活動では非常に参考になる視点が多くあったこと、また、現代社会のモラル低下が今日の悪質行為の増加を招いたと考えていが、実は大正時代からあったと知り、制度の法規制が整えば、改善ができることも見えてきたことなどに触れ、講師武田さんに大変良い講演をしていただいたことに感謝を申し上げました。