「第10回奈良県消費者行政懇談会」を2月27日、奈良市の奈良弁護士会館にて開催しました。本懇談会は奈良県行政と当団体会員・役職員が一堂に会し、消費者団体と消費者行政の情報交換や連携をすすめるため毎年度開催しているもので今回で10回目となりました。参加者は行政・団体あわせて16名で、消費者トラブルの現状や課題などについて活発に意見が交わされました。
〇奈良県地域創造部県民くらし課の染川幸史課長は冒頭挨拶の中で、高齢者を狙う悪質な詐欺の手口が依然多発していることに触れ、「地域の中での声掛けや交流が被害防止に直結している」と、見守りの重要性を指摘されました。また、「行政と消費者団体が連携することによって消費者被害の広がりを防ぎ、地域の安全を高めることにつながる」と、相互の連携強化にも期待を寄せられました。
〇続いて以下の報告が行われました。
①「県の消費者行政における取組」:奈良県県民くらし課 松原課長補佐
消費者基本計画: 5か年計画案を消費生活審議会で審議し、パブリックコメントを経て議会に上程 □消費者教育・啓発:官
学連携によるゲーム形式の学習や、ショッピングモールでの「消費生活フェア」、バス広告などの新たな取組□県民暮らし相談
センター:消費生活、男女共同参画、外国人支援など5つの機能を一箇所に集約し利便性を向上させる。4月にオープン予定。
②「奈良県の消費生活相談の状況」:奈良県消費生活センター 常岡係長
令和6年度の概況: 県全体の相談件数は4,683件で前年より微増。70歳以上が約4分の1を占め、定期購入、投資詐欺、レスキュ
ーサービスが主な課題となっている。□令和7年度(1月末まで)の傾向: 20代の理美容トラブルや、SNS広告をきっかけとし
た衣料品の偽サイト被害が増加傾向。□被害救済: 相談員による「あっせん」の解決率は93%に達し、約7,000万円の被害回復
を実現した。
③「事案検討活動報告」:なら消費者ねっと 竹内検討委員長
整体院への是正申入れ: 突発性難聴の高齢者に対し効果のない施術の回数券(9万円)を販売し解約を拒否した事例や、「アト
ピーが治る」などの医学的根拠のない過大な広告表示を行っていた事例を報告。申入れにより、該当広告の削除が確認された。
課題: 無資格者による整体院には行政の直接的な指導権限が及びにくい構造的問題があり、適格消費者団体による監視が重要。
〇以上の報告の後、フリートークで意見交換を行いました。主なテーマは「相互連携について」でしたが、多様な角度から質問や意見が出されました。一部を紹介します。
•新センターへの期待:複雑化する困りごとに寄り添う対応が進むことに期待する。リフォームでは、断熱改修などでのトラブル
の増加を懸念している。また、SNSを介した被害の増加からもデジタルリテラシーの向上も課題と感じる。。
• 他分野との連携:見守りネットワーク会議でギャンブル依存症支援の紹介があった。こうした福祉分野との多角的な連携は重要。
• 地域展開:県内最大の人口を抱える奈良市での見守りネットワーク設置が進むように願う。
•適格消費者団体としては、差止活動での連携も強めたい。
〇北條正崇理事長が閉会のまとめを行いました。
「県民暮らし相談センター」のワンストップ機能が相乗効果を生むことへの期待を述べました。適格消費者団体認定後2年が経過し、
差止訴訟の実績はまだないが今後も県や関係機関と連携し県民が安心して暮らせる社会づくりに貢献したいと結びました。